24Apr
大学広報が成功するポイント ~志願者に選ばれる大学となるための広報活動~
●情報発信力を高める課題と、強化へ向けた5つのポイント
今は情報化時代です。情報を制する者が世界、そしてビジネスも制します。情報発信力により、ファンが獲得し、様々なメリットが得られます。これは大学も全く同様です。
しかし、「情報発信力が重要だ!」と分かってはいても、何をどうように手をつけたらいいのかわからないという声をよく聴きます。
うちの大学は特別なことがないから・・・。
でも決して、そんなことはありません。
各大学、それぞれ特色を持っていて話題は沢山あるはずです。
もう十年ほど、4つの大学の広報アドバイザーとして、大学の広報関係者と共に、活動してきた経験からご紹介します。
このコラムを読んでもらい、大学広報として、情報発信力を強化上するためのヒントを見つけてほしいと思います。
「情報発信力」とは?
情報発信力の本質って、何でしょうか?
知ってもらう。わかってもらう。受け手に共感される。
でもそこには、「相手が喜ぶ情報はなんだろうか?」というところから
考慮して、発信内容や方法をデザインすることが大切です。
文章が書ける=情報発信力、ではないものです。
私は元々国語が苦手でした。読書も好きではなかったです。
今から、27年前に初めて広報担当になった際も、どうして私が?という気持ちでした。
そして独立して大学の活動を始めた頃、「情報発信力が弱い大学が多くて、もったいないなあ」と感じました。
大学広報資料やツールは、「大学の言いたいことを書ている」と感じました。
大学側の視点で語る傾向が強いですね。
社会のニーズから逆算して、読み手にわかりやすい情報を伝えるという感覚が少ないと感じます。特に高校生にとって、本当に必要な情報を紹介しているかどうか?と疑問に思うことがあります。
*情報発信力が弱い5つの理由を挙げてみます。
①社会への関心が低い
大学という社会と隔離された独自の環境で生きている。社会を見ていない。
「私達を見て見て!」というアピールする気持ちがないと厳しいものです。
そのような思いのない情報発信は、誰からも読まれまいで終わってしまいます。
②恥ずかしい
日本人は慎ましい方が美徳ですね。
日本人は「言葉にして語り尽くすのを恥ずかしい」と考える傾向が強いです。
その気持ちは、個人的にはすごくよくわかります。
私も自身ことをで発信するのは恥ずかしいです。私もこのブログを書くのははずかしい、気持ちもあります。
しかし、広報は仕事です。
現代は「発信しないなら、存在しないのと同じ」時代です。
遠慮をしていては、大学も生き残れない時代です。
③知識がない
情報発信は基本的に、人の役に立つ情報を提供する必要があります。
人が知りたいと思うことを紹介できれば、興味を持たれるはずです。
ですので、教えられる知識がなければ、うまく貢献できません。
だから、大学の教育・研究分野などの内容については、最低限の知識は必要ですね。
研究内容の専門的に詳しく理解できなくても、いいと思います。
でも、それを伝える価値があることを理解できるための知識は必要となります。
発信すべきテーマの内容をある程度理解して、感じるセンスが広報活動では大事です。
④経験がない
上記「知識」は最低限に知っておくべきものとして、単に知識があるだけでは不十分です。
価値ある情報は、「人の体験を伴う情報」になります。
かつては、それでも価値創造になったのかもしれません。
しかし、現代ではネットユーザーはもはや実体験の伴わない単なる情報を「薄っぺらい」と見抜かれるようになっています。
体験のないような情報では、他者への貢献が難しくなりつつあります。
⑤読者を考えていない
受験生に志願者してもらいたいならば、彼らの立場で「思考する」ことが大事です。
そうでないと効果的な情報発信はできません。
いくら豊富でいい情報があっても、読者のことをしっかり考えて紹介しないと、価値ある情報を創り出せません。
知られたいことを考えて情報発信をしないと、何の意味もありません。
そして高校生に見向きもされず、彼らの興味も引けないですし、心に届きません。
このような点を考慮して情報発信をしていかないと効果は上がらないものです。
また、高校生の両親、高校や塾の先生方、それぞれの立場に対しても同様です。
読者の対象に応じて効果的な紹介することが、とても大事です。